介護付き有料老人ホーム ミソノピア

お手紙 2018.07.01

施設長のお手紙 2018.4

ご入居者様 ご家族様

今年のはじめに、長女が普通自動車免許🚙を取得することができました。

親としてはじめて(?)長女へ教える内容ができたとひとりで喜んでいます。

 

わかばマーク🔰をつけ、ハンドルを握る長女へ、腕まくりで助手席に乗り込みます。

日頃は、会話がないのですが・・・、車の中で「運転マナー」については会話が続きます。(笑)

冷たい風が吹き上げる広い駐車場の片隅で、「バックでの車庫入れ」を練習します。

なんどもなんども、前に後ろに、右に左に、と車が動きます。その様子を、車から降り、寒さに負けずに首にマフラーで、手袋姿で見守る自分です。

 

ふと、長女に「ところで、君が自転車🚴に乗れたのは・・・だれが教えたの?」と聞くと、きっぱりと!

「友だち!」との返事。

 

「・・・」父親じゃないのだね。

 

さて、長女の運転で、祖母の病院へお見舞いに行きました。

車中で、「車はね、『急』がつくような運転をしたり、運転しながらどうしようかと?迷うことが危険なのだよ。『私は右にまがります!止まります!』など、意志をしっかりと、わかりやすく早めに、周りの車に知らせることが安全につながるのだよ。そして、反射神経を活かして若いからといって、障害物をハンドルだけでさけることもいけないよ。スピードをゆるめてまずは、後方車両に気づかせることも大事なことだよ。」と、もっともらしいことを助手席で語り出します。

長女は聞いているのか?聞いていないのか?

ブレーキを強めに踏み、「黄色」信号の10メートル手前で車は止まります(笑)

 

 

病院では、車椅子を使用している祖母を長女が押します。

談話室のテーブルに上手に車いすをつけ、学校での取り組みなどの資料を説明しています。

祖母は、にこにこと微笑みながら、長女の今後の行く末を想像しているようです。

 

病室のベッドへ祖母をおくると、祖母が長女の手を握りながら・・・一言。

「おばあちゃんは、おじいちゃんよりも早く運転免許をとったのよ。今のように道を案内するカーナビなんてなくたって、自分で地図を調べてどこでも行けるのよ。道に迷ったら、周りの人に平気で聞いちゃうのだから!道はどこまでも続いているのだから・・・こわくないよ」と。

 

4階病棟から1階ロビーへ向かう、エレベーターの中で、長女が「今のおばあちゃんの話は? 車の運転の話なの?」と。エレベーターの中の鏡には、首をかしげる長女の後姿がうつっています。

 

「・・・人間の生き方の話かもね」と自分。

 

わかばマーク🔰の長女が、祖母の退院時に迎えにくることを約束していました。

平成30年4月10日

廣井 健吉