ご入居者様 ご家族様
今年のはじめに、長女が普通自動車免許🚙を取得することができました。
親としてはじめて(?)長女へ教える内容ができたとひとりで喜んでいます。
わかばマーク🔰をつけ、ハンドルを握る長女へ、腕まくりで助手席に乗り込みます。
日頃は、会話がないのですが・・・、車の中で「運転マナー」については会話が続きます。(笑)
冷たい風が吹き上げる広い駐車場の片隅で、「バックでの車庫入れ」を練習します。
なんどもなんども、前に後ろに、右に左に、と車が動きます。その様子を、車から降り、寒さに負けずに首にマフラーで、手袋姿で見守る自分です。
ふと、長女に「ところで、君が自転車🚴に乗れたのは・・・だれが教えたの?」と聞くと、きっぱりと!
「友だち!」との返事。
「・・・」父親じゃないのだね。
さて、長女の運転で、祖母の病院へお見舞いに行きました。
車中で、「車はね、『急』がつくような運転をしたり、運転しながらどうしようかと?迷うことが危険なのだよ。『私は右にまがります!止まります!』など、意志をしっかりと、わかりやすく早めに、周りの車に知らせることが安全につながるのだよ。そして、反射神経を活かして若いからといって、障害物をハンドルだけでさけることもいけないよ。スピードをゆるめてまずは、後方車両に気づかせることも大事なことだよ。」と、もっともらしいことを助手席で語り出します。
長女は聞いているのか?聞いていないのか?
ブレーキを強めに踏み、「黄色」信号の10メートル手前で車は止まります(笑)
病院では、車椅子を使用している祖母を長女が押します。
談話室のテーブルに上手に車いすをつけ、学校での取り組みなどの資料を説明しています。
祖母は、にこにこと微笑みながら、長女の今後の行く末を想像しているようです。
病室のベッドへ祖母をおくると、祖母が長女の手を握りながら・・・一言。
「おばあちゃんは、おじいちゃんよりも早く運転免許をとったのよ。今のように道を案内するカーナビなんてなくたって、自分で地図を調べてどこでも行けるのよ。道に迷ったら、周りの人に平気で聞いちゃうのだから!道はどこまでも続いているのだから・・・こわくないよ」と。
4階病棟から1階ロビーへ向かう、エレベーターの中で、長女が「今のおばあちゃんの話は? 車の運転の話なの?」と。エレベーターの中の鏡には、首をかしげる長女の後姿がうつっています。
「・・・人間の生き方の話かもね」と自分。
わかばマーク🔰の長女が、祖母の退院時に迎えにくることを約束していました。
平成30年4月10日
廣井 健吉